新型コロナウイルスの影響で、現在も続く小中高校の休校や世間の自粛ムード。
3月といえば、卒業旅行や春休みの旅行シーズンです。ここを目標に海外旅行の計画を立てていた方もたくさんいると思います。
私の場合には、職場からの海外渡航禁止令が旅行の約10日前に出されましたので、こちらを判断材料として(職場に逆らって帰国後自分の椅子がなくなっては大変ですので^^;)、旅行計画の中止を決断しました。
一方で、完全に個人旅行の場合には、行くべきか行かざるべきか迷っている方も多いと思います。
この記事では、現在日本から海外へ旅行を計画している方の、キャンセルすべきかどうかの判断材料となる情報をまとめてみました。
以下の情報は個人的に収集したものであり、意見は個人の意見です。
最終的な判断は自己責任でお願いします。
目次
キャンセルすべきかどうかの判断材料 客観的情報の確認
海外旅行をキャンセルすべきかを判断するにあたり、国や航空会社、ホテルなどからの客観的な情報を収集しましょう。
国からの最新情報は外務省ホームページでご確認ください。また航空会社やホテルについては、個別に対応が必要な場合がありますので、それぞれの利用予定の各ホームページ等でご確認ください。
判断の前提として:SNS上のデマや誤情報に流されない
今回を含め、このような異常事態の際には、様々なデマやうわさが広まります。
重要なのは、渡航禁止令などの最新情報がSNS等で流れてきたときに、その出処(ソース)を確認することです。
新聞社のウェブサイトや、複数の記事で同じ内容を報じている場合には、ほぼ信頼できますが、SNS単独の情報や、意見記事についてはまずは疑ってかかったほうが無難です。
こちらの記事では、デマ情報は掲載していませんのでご安心ください。
SNSで情報を入手した場合には必ずソースを確認しましょう
各国レベルでの出入国情報の確認
まずは、最初に確認すべき情報は、国レベルでの渡航制限や入国制限がどのようになっているかの把握です。
この制限で、入国できるか帰国できるか、隔離されるかなどが決まりますので、判断材料としては最も重要です。
これは日本(外務省)から出されているものと、外国から出されているものに別れます。
以下、まとめてみましたので参考にしてみてください。
以下は2020年3月6日時点の情報です。日々変化していますので、最新情報の入手をお勧めします。
日本(外務省)から出されている海外安全情報(日本人向け)
外務省からの日本人向けの渡航制限です。
レベル3(渡航中止勧告)
- 中国・・・湖北省、浙江省温州市
- 韓国・・・大邱(テグ)広域市、慶尚北道慶山(キョンサン)市、安東(アンドン)市、永川(ヨンチョン)市、漆谷(チルゴク)郡、義城(ウィソン)郡、星州(ソンジュ)郡、清道(チョンド)郡及び軍威(グンウィ)郡
- イラン・・・イランコム州、テヘラン州、ギーラーン州
レベル2(不要不急の渡航はやめてください)
- 中国・・・レベル3以外の中国
- 韓国・・・レベル3以外の地域
- イラン・・・レベル3以外のイラン全土
- イタリア・・・ロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア=ロマーニャ州
昨日(3月5日)、中国と韓国(全域)からの帰国者に対する以下の渡航制限が発表されました
- 3月9日から3月末まで、中韓からの入国者に2週間の指定場所での待機を要請する
- 現地に滞在する日本人も対象となる
これはこれまでの渡航制限とは一線を画する非常に厳しいものです。中韓に在住する日本人だけでなく、一時的滞在の日本人旅行者も対象になるためです。
待機場所は、日本人であれば自宅、外国人であればホテル等となっています。
これは、実質的に中韓への渡航禁止令ですね。
現在は中韓のみですが、特に現在感染者が増加傾向の地域にこれから渡航する場合には、こういったリスクが有ることを十分に認識しておく必要があります。
外国から出されている日本人の入国制限(日本人向け)
日本からの入国の拒否や現地隔離施設で2週間ほど滞在を必要とする国です。実質的にこれらの国への旅行は断念せざるを得ません。
搭乗自体を拒否される可能性もありますので、事前の情報収集、空港での情報収集を十分に行ってください。
入国・入域制限国
厳しい入国制限がされている国は下記のとおりです。日々増えており、最新情報の入手が必要です。
- アジア・・・インド、モンゴル、ネパール、キルギス、トルクメニスタン
- オセアニア・・・キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、バヌアツ、仏領ポリネシア、マーシャル、ミクロネシア
- 中東・・・イスラエル、イラク、サウジアラビア、バーレーン
- ヨーロッパ・・・ジブラルタル
- アフリカ・・・コモロ、ガーナ
- 中米・・・トリニダード・トバゴ
隔離などの措置が取られている国
14日間隔離などの制限が取られている国です。こちらも日々増えていますので、最新情報の入手が必要です。
- アジア・・・インド・ケララ州、タイ、台湾、中国、ブータン、ベトナム、香港、ミャンマー、ラオス、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン
- 北米・・・カナダ8州、カナダ・マニトバ州、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州
- 中米・・・セントビンセント、セントルシア、パナマ、キューバ
- 南米・・・コロンビア、チリ、パラグアイ、ベネズエラ、エクアドル
- ヨーロッパ・・・アゼルバイジャン、キプロス、クロアチア、ジョージア、マルタ、ラトビア、アルメニア、ベラルーシ、モナコ、ロシア
- 中東・・・オマーン、クウェート、トルコ、バーレーン、パレスチナ、ヨルダン
- アフリカ・・・ケニア、チュニジア、ウガンダ、シエラレオネ、スーダン、ナイジェリア、ベナン、リベリア、ザンビア、カメルーン、セネガル、南アフリカ
日本への渡航警戒を出している国(外国人・海外在住の日本人向け)
これらの国では、日本へのフライトが欠航になるリスクがあります。入国はできたものの今度は日本に帰れないと言う可能性もありますので、ご注意ください。
日本への渡航注意・警戒は多くの国で出されていますが、以下主な国を列記します。
- アメリカ・・・レベル2(注意強化)
- オーストラリア・・・高度警戒
- マレーシア・・・渡航延期
- シンガポール・・・不要不急の渡航延期
先日トランプさんが日本への制限強化を検討しているという報道がありましたので、アメリカは近日中にレベル3となる可能性が高いと思いますのでご注意ください。
日本と旅行先の国からの渡航制限は最も強力な判断材料ですので、必ず最新情報を収集しましょう
主要航空会社・ホテルの情報とキャンセル情報
主要航空会社の運休情報
上記の中韓への渡航制限から、日本からの中国便、韓国便については今後大きく減便ないし欠航になると思われます。
一方で、ANA, JALの欧米路線は現時点では減便は報じられていませんが、今後の情勢によっては減便となる可能性は十分にあります。
実際にたとえばユナイテッド航空は3月1日に以下を発表しました。
- 成田ーロサンゼルス便、成田ーヒューストン便は3月8日から4月24日まで運休する
- 成田ーシカゴ便は3月8日から3月27日まで取りやめる
- 成田―ニューヨーク(ニューアーク)便は現在、毎日運航しているが、3月28日から4月24日までは週5便とする
- 関空―サンフランシスコ便も3月28日から4月24日までは毎日の運航を週5回に変更する
- 羽田空港と米都市を結ぶ路線は予定通り運航を続ける
となっています。
欧米航空会社の日本便の減便等には十分な注意が必要です。
主要航空会社のキャンセルに対する対応
ANA, JALの特別対応
航空機やホテルのキャンセル料がどの程度になるかというのは、旅行を中止するかどうかの重要な判断材料となると思います。
3月5日現在、JAL, ANAの国内航空会社は国際線、国内線含めすべての路線で、4月5日搭乗分(中国路線は4月20日まで)までの航空券を対象に、取消手数料無料でのキャンセル・変更を可能とする特別対応が発表されました(3月6日に更新されました)。
ANA 新型コロナウィルスによる肺炎の発生に伴う国際航空券の特別対応について
JAL 新型コロナウイルス肺炎に関する航空券の特別対応や各種対応について
3月6日に対象期間が4月5日搭乗分まで延長されましたが、おそらくさらに延長されると思われます。
欧米の航空会社の対応
欧米の航空会社の対応については、個々に異なることから、それぞれ確認が必要ですが、特に欧米の国内線(乗り継ぎ便など)については、通常のキャンセル料がかかることが多いようです。
JAL, ANAの航空チケットは、国内線・国際線、特典航空券問わず、無料でキャンセル可能です
ホテルに関する情報
ホテルについても、個別のホテルごとに(ヒルトンやマリオットなどはそのグループごとに)対応が異なっているようです。
最近では、大手チェーンのホテルでは、日本や中国からの旅行者を対象に、キャンセル料無料としているところが多いようですが、やはりホームページでの最新情報の確認が必要です。
パックツアーの対応
もちろん旅行代理店により異なりますが、一般に航空券のみ場合は航空会社の規定に準じた扱いになるようです。
一方で、ホテル込みの手配旅行については、ホテル分は対象ホテルの規定通りとなるようです。
ですので、手配旅行の場合には、キャンセルの時期によってホテル分のキャンセル料が掛かる可能性があります。
いずれにしても、それぞれの旅行代理店への確認が必要です。
職場や学校など地域レベルでの対応状況の把握
政府による小中高の休校措置は大きな衝撃でしたが、学校を休むだけで、行動には制限はかかっていません(部活動の自粛などはありますが)。
ただし、行動には制限がかかっていないものの、自由に行動していいということではありません。
現地で何があるかわかりませんので、子連れの海外旅行は控えたほうが無難と思われます。
また、職場で出張等の渡航制限がかかっている会社も多いと思います。その場合には、通常出張だけでなく、個人旅行も制限されている場合が多いと思われ、従わざるを得ません。
会社からの命令であれば、かなり強力な判断材料となりますね。
目的地における観光施設の休止等の対応状況の把握
仮に海外に無事渡航できたとしても、メインの目的地の施設が休止していては旅行の楽しさは半減しますし、キャンセルの判断材料になると思います。
たとえば、アメリカのディズニークルーズは日本人の乗船を拒否していますが、これは対象国への対応による制限の例です。
一方で、フランスのルーブル美術館は職員のストライキで3月に入り3日間休館していました(3月5日現在は開館しているようです)が、これは施設単位の対応です。
ディズニークルーズなどは、現地に入ってからキャンセルを知らされた方もいるようで、大変気の毒ですが、状況が刻々と変化しますので、国内にいるうちに最新情報を入手する努力が必要です。
また、ある地域のメインの観光施設が休止や閉鎖になると、その周囲も同様になることも多く、注意が必要です。
メインの目的地が休止となった場合には、旅行自体のキャンセルを考慮しましょう。
目的の施設が休止していないかどうかは出発前に確認しましょう
新型コロナウイルス自体に感染するリスクの把握
飛行機での移動は大丈夫?
様々な施設でのクラスター感染(集団感染)が報告されており、感染しやすいリスクがだいぶ判明してきました。感染のリスクが高い状況として
- 換気が少ない密閉空間
- 声や飛沫などの体液が出やすい状況
- 隣の人と近接している状況
などがあげられています。ライブハウスや、ビュッフェ形式の食堂、スポーツクラブなどはこれらのリスクが高い状況に該当します。
一方で、意外に飛行機や電車についてはリスクとして強くは言われていません。
電車や飛行機を止めると経済活動が止まるという実際上の問題に加えて、特に飛行機は密閉空間ながら、換気も十分で、体液が飛ぶ状況はあまり無い点などがリスクを下げている可能性があります。
ですので、現状では、飛行機による旅行自体はそれほど強い判断材料とは言えないと思います。
ただし、密閉空間であるのは間違いありませんので、十分な注意が必要です。
海外で病気になった場合の対応状況の把握
最も心配なのは、海外で病気になった場合の対処です。
特に海外で新型コロナウイルスに感染した場合には、どのような対応がなされるのかについては、念の為必ず確認しておくべきと考えます。
一般に海外で病気になった場合には高額の医療費が必要となる場合が多いため、海外旅行保険に加入する方も多いと思います。
一方で、特にゴールドカードなどのクレジットカードで十分な保障が得られる場合も多くありますので、必ずしも海外旅行保険には入らなくても大丈夫かもしれません。
いずれにしても、新型コロナウイルスに感染した場合には、仮に発症していなくても、少なくとも2週間程度の隔離をされることが現在の世界における一般的な対応ですので、その際の医療費に自分の海外旅行保険が適応されるかどうかは確認しておきましょう
万が一海外で新型コロナウイルスに感染した場合に保険がどのように適応されるかについては、出発前に必ず確認しましょう
最終的には自己判断 状況が許せば意を決して行くのも一つの手
今という時期は今しかない
親や仲間に相談すると「また行けるから、無理して行くことはない」と言われることが多いと思われます。
確かに、「海外旅行」という点では、また行けるかもしれませんし、状況が良くなってからのほうが充実した旅行が可能かもしれません。
しかし、一方で例えば「大学時代の仲間との卒業旅行」は、大学卒業の3月しか行けません。就職してからでは、特に最初の1年などは休みも取りにくかったり、都合が合いにくくなることも多くあります。
今という時間は今後二度と訪れない可能性もあるのです。
「また行ける」と言うまわりの意見に流されずに、慎重に判断しましょう。
同行者の意見
これは言わずもがな、同行者が嫌がっているのに行くわけにはいきませんね。
一人で行く場合は別として、行くか行かないかを決めるときには、同行者全員が納得した状態にしておくことは非常に大切です。
同行者が迷っている場合には、自分の意見を提示した上で、相手の意見も尊重して決める必要があります。
まずは同行者と意見を統一しましょう
ギリギリまで粘って、行けそうなら意を決して行ってみる
ここまで、キャンセルをするためのネガティブな判断材料を提示してきましたが、いかがでしょうか。
これらの判断材料を考慮した上で、いずれも障害にならないようであれば、意を決して自己責任で行ってみるというのは決して間違った判断ではないと思います。
正解は後にならないとわかりません。
是非、後悔しない判断をしてみてください。
海外旅行 行くべきかキャンセルすべきか まとめ
- 外務省からの渡航情報は最も重要な情報です
- 職場等の渡航制限には従いましょう
- 国内航空会社では無料でチケットのキャンセルが可能です
- 意を決して行くというのもありと考えています
以上の情報は個人的に収集したものであり、意見は個人の意見です。
最終的な判断は自己責任でお願いします。
本記事が、海外旅行をキャンセルすべきかどうか迷っている方、情報を得たい方の参考になれば幸いです^^。ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせからどうぞ!
ためになった、他の人に紹介したい、と思われた方は、ぜひ下のリンクからSNSで紹介してください^^。